石けんを買うとき、「コールドプロセス」という言葉を見たことがあるかもしれない。製法の名前だ。熱を加えずにオイルとアルカリを混ぜ、時間をかけてけん化させる方法のことを指す。なぜ熱を使わないのか、それが洗い上がりにどう関係するのか、順番に説明する。
けん化とは何か ¶
石けんは、油脂とアルカリ(苛性ソーダ)が反応してできる。この反応を「けん化」という。油脂の分子が分解され、脂肪酸ナトリウム(石けん分子)とグリセリンが生まれる。グリセリンは保湿成分で、市販の石けんでは製造工程で取り除かれることが多い。コールドプロセスでは、グリセリンが石けんの中に残る。
熱を使わない理由 ¶
高温で製造すると、けん化は速く進む。ただ、熱に弱いエッセンシャルオイルの香りが飛びやすく、オイルの一部が変質することもある。コールドプロセスでは、オイルと苛性ソーダ水溶液を40〜45度程度で混ぜ、あとは型の中でゆっくりけん化させる。時間はかかるが、素材の性質が残りやすい。
6週間の熟成が必要な理由 ¶
型から出した直後の石けんは、まだ水分が多く、アルカリが残っている場合がある。棚で乾燥させながら熟成させることで、余分な水分が抜け、pHが安定する。Quartz Blend Gateでは最低6週間を熟成期間としている。急いで出荷したことは一度もない。
市販の石けんとの違い ¶
スーパーで売られている石けんの多くは、工業的な連続式製法で作られている。グリセリンは分離・回収され、別の製品(化粧品など)に使われる。石けん自体は硬く、泡立ちは良いが、洗い上がりに乾燥を感じる人もいる。コールドプロセス石けんは、グリセリンが残るぶん、洗い上がりがしっとりしやすい。
向いている人、向いていない人 ¶
コールドプロセス石けんは、泡立てに少し手間がかかる。泡立てネットを使うと泡立ちが良くなる。また、湿気に弱いので、使用後は水切れの良い場所に置く必要がある。「とにかく泡立ちが良い石けんが欲しい」という方には、向かないかもしれない。洗い上がりのしっとり感を重視する方に試してほしい。
製法の話は、石けんを選ぶときの参考にしてほしい。Quartz Blend Gateの石けんの一覧は、オンラインショップでご覧いただけます。成分についての質問は、お問い合わせフォームからどうぞ。